胃内視鏡検査とは食道・胃・十二指腸の一部までの上部消化管を観察する検査です。
当院では鼻から挿入する経鼻内視鏡を使用しております。従来の内視鏡に比べ約半分の太さで苦痛の少ない内視鏡です。検査中の会話も可能であり実際の映像を見る事も可能です。また検査に対して不安の強い方や以前に苦しい思いをされた方にも鎮静剤を使用し楽に検査が受けられますので御相談ください。
食道 | : | 食道がん、逆流性食道炎、食道ヘルニア、食道静脈瘤、ポリープ、憩室など |
胃 | : | 胃がん、胃潰瘍、ポリープ、急性・慢性・萎縮性胃炎など |
十二指腸 | : | 十二指腸がん、十二指腸潰瘍、ポリープ、憩室など また、ピロリ菌の有無や誤飲した異物・アニサキス (さば、アジ、いわしなどにいる寄生虫) の摘出などにも内視鏡は有効です。 |
バリウムと内視鏡の長所・短所をまとめると、下のようになります。それぞれ、長所があり、胃のバリウム検査も有用なことが多いため、胃を切除する手術を受けるようなときには、両方の検査が必要になります。しかし、小さな病変を内視鏡で治療するときなどでは、省略されることも多くなりました。
バリウム検査 | 内視鏡検査 | |
---|---|---|
○長所 | ・バリウムを飲用してレントゲン撮影する |
・比較的小さな病変や色調の変化を |
×短所 | ・診断確定には内視鏡検査が必要である |
・内視鏡をのみ込むことに抵抗感や |
鼻からの内視鏡検査では患者様に苦痛のないように、事前に鼻の粘膜をしっかりガードいたします。まず血管収縮薬を用い鼻粘膜のむくみをとります。さらに鼻腔の麻酔を入念に行います。最後に鼻が通るかどうか内視鏡挿入前に軟らかいチューブを挿入して確認し麻酔を追加します。これにより痛みが軽減され楽に挿入可能となります。
また、従来の経口の内視鏡はスコープが舌の根元(舌根)に触れ、咽頭反射(嘔吐感)が起こるのですが鼻からの挿入でこの問題が解消しました。(図1)
(図1)
スコープは従来の約半分の5.9mmの細さで、鼻に適したしなやかさで無理なく挿入ができます。麻酔量も微量ですむため身体への負担が軽減されます。
90%以上の方は今後も鼻からの内視鏡検査を希望されます。
ただし、どうしても鼻からの内視鏡に抵抗のある方は経口からも施行しております。(当院では97%の方が鼻からの内視鏡を受けられております。)
口腔から挿入 | 鼻腔から挿入 | |
---|---|---|
○長所 | ・内視鏡検査、処置全般に対応可能 |
・嘔吐反射が少なくなる |
×短所 | ・口の中で嘔吐反射を誘発しやすい |
・通常の内視鏡は鼻腔に挿入不能 |
検査はすべて予約制になっておりますのでご希望の方は一度当外来に受診していただきます。ただし当院で以前に検査をされた患者様は電話予約も受付しております。
外来にて診察を受けていただき予約日を決めます。
感染症チェックのため採血をしていただき看護師より患者様の服用薬のチェックと生活・食事指導を致します。
パンフレットの内容をご参考にお食事をしてください。
(1)受付 検査10分前にお越しください。
(2)検査前 鼻の麻酔を行います。鎮静剤をご希望の方は注射のルートをとります。
(3)検査 検査時間は約10分程度です。
(4)検査後 回復室にてお休みいただきます。
当日検査終了後診察室にて内視鏡写真をみながら結果説明をいたします。組織検査をした場合は後日に結果説明のため再診していただきます。
来院されてから終了まで約1~1.5時間です。
内視鏡検査に関してご不明な点がありましたらご遠慮なくスタッフにお尋ねください。